【台湾】「中国籍を放棄していない」として学田村の村長が解職処分に
鄧万華氏は中華民国(台湾)パスポートを提示し、「支持は賴清徳の台湾独立」と主張
(菱傳媒/総合報道)
花蓮県富里郷の学田村長である鄧万華氏は、8月1日に郷公所(地方役所)から解職処分を受け、全国で初めて中国籍保持を理由に解職された村長となった。鄧氏は3日、自身が台湾のパスポートを持ち、法律に則って当選したとして、突然の解職処分に不服を申し立て訴願を提出し権利を争う意向を示した。
今年4月には南投県の議員、史雪燕氏も就任前に外国籍放棄が確認されず議員資格を剥奪され、訴願を提起したが行政院の訴願審査委員会により却下されている。理由は同じく中華人民共和国籍の放棄がなかったため。
内政部は2025年1月に全国の村里長の調査を行い、中国籍を持つ現職5名を確認。各地方自治体に国籍法に基づき処分を行うよう通達を出した。鄧氏もその一人である。内政部民政司は、公職に就く者は国家への忠誠義務があり、不服の場合は法的手続きに則り訴願できると回答している。
富里郷長の江東成氏は、内政部が昨年10月から解職手続きのための通達を行っていたと説明しながらも、「両岸人民関係条例」に基づけば台湾と中国は二国ではなく、一国二制度の関係であるため、中国籍放棄証明は陸側が発行しないことを指摘。今回の解職は問題を透明化し、裁判で憲法及び両岸条例に基づく判断を仰ぐ意図があると述べている。
鄧氏は取材に対し、自身は中華人民共和国のパスポートを持っておらず台湾のパスポート保持者だと主張。国籍問題は内政部と与党の政治的な主張によるもので民生問題を無視していると強く非難した。また、「賴清徳の台湾独立を支持している」とも語った。
鄧氏は四川省広元市出身で1997年に台湾に移住し、17年前に台湾の身分証を取得。2022年に初当選した学田村長である。前夫は7年間闘病生活を送り、鄧氏は子どもたちのために献身的に介護と育児を続けている。解職後は収入がなくなり、アルバイトで生計を立てているという。政治問題で自分が標的にされたと憤っている。
南投県議員の史雪燕氏も外国籍放棄を巡り同様に議員資格を剥奪されており、訴願は行政院により却下されているが、議員時代の報酬は返還不要とされた。
内政部民政司は公職者には国家忠誠義務があり、国籍法は選挙で当選した公職者が就任前に外国籍を放棄し、就任日から1年以内にその証明を提出する義務があると説明。未放棄者は地方自治体が解職処分を行うと明言している。

参考
https://rwnews.tw/article.php?news=22197
https://www.bannedbook.org/bnews/taiwannews/20250803/2220025.html
続きを読む