0 【速報】日本、南鳥島沖で世界3位規模のレアアース1600万トン発見 価値は30兆~60兆円規模にのぼる可能性 専門家「深海5,500~6,000メートルでの採掘は前例がない。陸上鉱山の2~5倍のコストがかかる」
「中国頼み」からの脱却が可能になる!? 南鳥島近海にレアアース泥発見!!

(略)驚くのは埋蔵量。なんと世界3位規模の1600万トン超で、中国が輸出規制をかける重希土類も豊富に含むという。 

詳細はソース先 2025/8/16 『ベストカー』初出 2025年8月10日号
https://news.yahoo.co.jp/articles/c61fff5b1bf3f9cebbfe6a80d8be9cef1bccdf0e

日本の排他的経済水域(EEZ)にある南鳥島近海で、世界3位の規模とされるレアアース資源が発見された。総量は推定1,600万トン(REO換算)に上り、特にイットリウムや重希土類元素(Dy、Tbなど)を多く含むことが報告されている。これらは電気自動車(EV)用モーターや風力発電用の高性能磁石、半導体・蛍光体などハイテク産業で欠かせない重要資源であり、日本のレアアース自給自足への期待が高まる。

発表されたデータによると、南鳥島沖の平均レアアース濃度は964 ppm。特にイットリウムと重希土類元素を合わせると全体の約44%を占め、残りは軽希土類(La~Nd)で構成されている。このうち、Nd、Dy、Tbの含有量は比較的厚く、磁石用の高付加価値材料としての期待が大きい。過去の研究では、特定の高濃度区画(B1区画)だけで、世界の年間需要に対して数十年分の供給力があるとされる。

しかし、商業化には大きな技術的・経済的課題がある。資源は水深5,500~6,000メートルの超深海に埋蔵されており、採掘には高耐圧の揚泥管やポンプなど、特殊な海洋機材が必要となる。従来の陸上レアアース鉱山(中国・豪州)の採掘コストが数十~100ドル/kg程度であるのに対し、深海泥では陸上の約2~5倍の200~500ドル/kgに達する可能性があるとされ、商業的採算性は相場次第で左右される。また、南鳥島は本州から約1,800キロ離れた遠隔地であり、台風常襲域であるため、稼働日数や補給の制約もコスト増要因となる。

さらに環境面の懸念も無視できない。深海の生態系への影響は未知数であり、採掘による泥や粒子の拡散、底生生物への影響など、国際的にも慎重な規制や監視体制の構築が求められる。

価格面では、Nd₂O₃は約70ドル/kg、Dy₂O₃は約200ドル/kg、Tb₄O₇は約850ドル/kg、Y₂O₃は約6ドル/kgとされ、1,600万トン全体の組成比によって、価値は30兆~60兆円規模にのぼる可能性がある。だが、この金額はあくまで「資源量ベース」であり、採算可能埋蔵量や精製コストを考慮すれば実際の経済価値は大きく目減りする。

政府は2026年以降、南鳥島沖での試験採掘(テストマイニング)を計画しており、採算性や環境影響を慎重に検証した上で、本格的な商業化の可否を判断する予定だ。国内のレアアース資源開発はこれまで限定的で、日本は輸入依存度が高い。今回の発見は、自給自足や安定供給の面で大きなポテンシャルを秘めている一方、商業化までには「技術・コスト・環境」の三重の壁が立ちはだかることを示している。

専門家は「資源量自体は世界トップクラスだが、深海5,500~6,000メートルでの採掘は前例がない。陸上鉱山の2~5倍のコストがかかる可能性があり、試験採掘の結果次第で初めて経済価値が確定する」と指摘している。日本のレアアース戦略にとって、南鳥島の資源は夢のような可能性であると同時に、現実的な課題と隣り合わせのプロジェクトである。


参考
https://www.nature.com/articles/s41598-018-23948-5
https://www.metal.com/en/markets/33
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1029/2022GC010681
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2019GC008214
https://news.metal.com/newscontent/103457920
https://japan-forward.com/japan-to-start-test-mining-rare-earths-from-seabed-in-2026/
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